世の中には、借金で生活が困難になっている人が少なくありません。
決して、ドラマや小説の中の話ではないのです。
その状況を解決する際に、よく自己破産や債務整理といった用語が登場しますよね。
みなさんは、2つの方法の違いが理解できるでしょうか?
今回は、借金問題解決のための手続きについて、ご説明しましょう。
2つの方法の特徴を知ろう
2つの用語の違いを見る前に、そもそもどのような手続きを意味するのかを知らなければ、違いを理解することはできませんよね。
ここでは、以下のポイントから基本的な知識をご説明したいと思います。
・債務整理の手続きの特徴
・自己破産はどのような手続きなのか?
まずは、それぞれの用語の基本知識や特徴をしっかりと確認しましょう。
・債務整理の手続きの特徴
突然ですが、債務整理と聞くと、みなさんはどのような手段で解決すると思いますか?
例えば、弁護士等のプロに依頼して、借金の返済額を調整してもらうことを思い浮かべる人がいるでしょう。
実は、お金に関するトラブル全般を解決する方法のことを、「債務整理」というのです。
つまり、実際に対応する際は、色々な方法があると考えて下さい。
しかし、それらの手続きは、単に借金からの解放を意味することだけでないのをご存知でしょうか?
私たちは、返済が楽になったり、借金の返済が亡くなったりすることで、問題が解決したと思ってしまいますよね。
これは、根本的な解決にならないことを気付けるでしょうか?
例えば、返済が楽になったとしても、その後の生活がすぐに改善できるとは限りませんよね。
借金関連のトラブルを解決するだけでなく、みなさんの生活再建を目的として行う手続きになるのです。
そのため、一時しのぎでどうにかするというよりは、借金の状態によっては数年後の生活再建に向けて手続きをしていくものだと思っていいでしょう。
今お話しした知識を踏まえて考えると、次からご説明する自己破産の意味がよく理解できるはずです。
・自己破産はどのような手続きなのか?
それでは、先程の知識を踏まえた上で、自己破産について見ていきましょう。
自己破産とは、債務整理で可能な手続きの1つであり、裁判所に手続きをすることによって、借金の返済をしなくても良い状態にする方法です。
例えば、様々な所から借金をしており、その金額が高額になっている場合をイメージして下さい。
少額であれば返済が可能かもしれませんが、たくさんの場所にそれなりの金額を借りているとなると、返済が困難なのは目に見えていますよね。
簡単に言うと、返済が自分では厳しい、できないということを認めてもらう手続きになるでしょう。
この方法を取ると、借金の返済が無くなるだけでなく、差し押さえをストップさせることができますから、精神面の不安から解放されることになります。
また、今まで不安定だった生活の再スタートが切れますから、強制的に生活再建が実現できると言っても過言ではありません。
手続きしたことで新しく借金することもできなくなりますから、お金の面での不安は軽減されることに間違いないでしょう。
一方で、他の手続きにも言えることですが、デメリットもあります。
それは、ローンやクレジットカードが利用できなくなったり、財産が処分されたり等、生活面でダメージを受けることです。
お金の管理が上手くできなかった結果の選択肢ですから、生活で利用できるお金にも制限がかかりますよね。
従って、今までと同じようにお金を使うということは、基本的にできないものだと思って下さい。
何より、他の債務整理手続きの中でも、これは最終手段とも言える方法になります。
確実にお金の使い方に制限がかかりますから、慎重に判断すべき方法になりますね。
手続き面の違いを理解するためのポイント
大まかな手続きの特徴を確認したところで、両者の違いに触れてみたいと思います。
違いを理解するには、3つポイントがあります。
・裁判所を通しての方法なのか?
・借金の返済ができる状況かどうか?
・返済期間や範囲は選べるのか?
上記の内容を、それぞれご説明しましょう。
・裁判所を通しての方法なのか?
1つ目のポイントは、裁判所に申し立てをする必要がある手続きがどうかになります。
手続きの中には、裁判所を通さず、弁護士が主体となって解決に動く方法もありますので、全ての方法で裁判所の関わりがあるとは言えません。
先程もご説明したように、自己破産は裁判所を通して行う方法になりますから、この点が違いになるでしょう。
公的機関である裁判所が、対象となる金融機関に対して通知を行いますから、その効力は大きいですよね。
強制力を持たせるという意味でも、他の方法と違いが出てくるのが明らかです。
もちろん、裁判所に手続きするとなると、素人では対応できませんから、専門家の力が必須になるでしょう。
・借金の返済ができる状況かどうか?
2つ目のポイントは、自分が返済可能な状況であるかどうかです。
債務整理の方法には、自己破産の他にも、任意整理や個人再生という方法があり、個人再生も裁判所に手続きをして行うことになります。
しかし、後者2つの手続きと違う点は、借金を返済できることにあり、返済額を減額して対応するかどうかになると言っていいでしょう。
借金の状況によっては、減額等の対応をしてくれれば、何とか返済できるかもしれないという場合もありますよね。
そのような時は、あくまでも返済することを目標に考えていきますので、破産しなくても良い形で進めていくことになるでしょう。
他の方法も含めて、解決策を検討する際には、やはり返済能力の把握は欠かせません。
どこまでなら対応できるか、厳しい状態での解決策なのか、最終的な選択をする時はそこに尽きるのです。
もちろん、最終的な判断は、本人の意思でなく、収入から判断されます。
ある程度安定した収入がある人ならば、弁護士のサポートを受けながら、少しずつでも返済することができますよね。
一方で、収入が不安定だったり、無職だったりすると、返済が厳しいと捉えられてしまいますから、実行できる方法は限定されてくるでしょう。
・返済期間や範囲は選べるのか?
最後のポイントは、返済期間や借金の範囲になります。
他の手続きの中には、返済を3年~5年かけて少しずつ行っていく方法がありますが、自己破産はそもそも返済をしなくなりますよね。
そのため、返済期間がない方法だと捉えることができるでしょう。
また、対象となる借金の範囲が、自己破産だと選ぶことができません。
その理由は、みなさんも想像できますよね。
そもそもこの手続きをしようとする人は、返済能力がない状態や借金の返済のために借金を繰り返している状態のことがほとんどです。
もしかすると、借金の現状が分からなくなっているケースも少なくありません。
そのような状態だと、「どこから手を付けて問題を解決しますか?」と聞いている時間はないのです。
従って、債務整理をする際に、自分でどこの債務に取り掛かるのか、選べるかどうかも大きなポイントになるでしょう。
これらの違いを知ると、どちらも同じ手続きでないことが理解できますよね。
どの手続きで問題を解決するのかによって、みなさん自身の経済的・精神的な負担も変わってきます。
まず、何の問題を解決したいのか、優先順位をつけて考えると、現状に合った適切な手続きが見えてくるでしょう。
まとめ
一見すると、同じように見える方法でも、細かい手続きやみなさんの負担が違うことが分かりますよね。
自己破産は、他の手続きと比べると、借金の状況が凄まじく、他の解決策がないといった状況の対応策です。
ですが、手続きを実行すると、様々な制約がかかりますから、不自由に感じる人もいるかもしれません。
どの手続きがベストなのか、借金額と今後の返済状況を考えて上で、選択するようにして下さい。