失業保険を申請するまでの流れ

みなさん、ハローワークではどんなことができるか、ご存知ですか?
多くの人は、求人を探すことだと思っていますよね。
実はそれ以外にも、重要な役割を果たす場所であり、お世話になる機会は案外と多いのです。
今回は、その中でも失業保険の申請に関する流れについて、解説したいと思います。

失業保険の支給までの流れや仕組みを理解しよう

突然ですが、みなさんは失業保険の手続きはどのようにして行われるのかを理解していますか?
仕事を辞めたものの、どこで手続きすべきか、意外と分からない人はいますよね。
まずは、大まかな流れに関して解説をしていきましょう。
基本的な流れは、このようになっています。

①離職票と離職証明書の手続きをする
②ハローワークに行って手続きを行う
③7日間の待期期間後、雇用保険受給者説明会に参加する
④失業認定日までに、決められた回数の求職活動を行っておく
⑤失業手当の受給が得られる

この5つの流れを、もう少し詳しく解説したいと思います。

①離職票と離職証明書の手続きをする

離職する際に最初に行うことは、職場から離職に関する書類の手続きをすることです。
それは、タイトルに記載されている離職票と離職証明書になります。
これらは2つともハローワークに提出する必要がありますので、片方だけではいけません。
ここで、それぞれの書類の内容について、少し確認しておきましょう。

離職証明書とは、どのような理由で離職したのかが記載される書類になります。
記載内容に問題がなければ、離職日の次の日から10日以内に会社側からハローワークに提出する必要がありますので、その動向待ちになるでしょう。
これが提出された後に、雇用保険被保険者離職票がハローワークから発行されますので、職場から届いた時点で手続きのスタートラインに立つことになります。
一気に書類が届く訳ではありませんから、早めに必要書類の確保に努めたいところですね。

②ハローワークに行って手続きを行う

次の流れは、離職票を受け取った後、失業保険の具体的な手続きに入っていきます。
その際に、離職票の他に持参する物は、以下の通りです。

・本人確認ができる身分証明書(運転免許証やマイナンバーカード等)
・個人番号確認書類(マイナンバーカード・通知カード・個人番号の記載がある住民票のいずれか)
・縦3cm×横2.5cmの証明写真2枚
・本人名義の普通預金口座(郵便局以外の口座)
・印鑑
・求職申込書

この段階では、必要な書類の提出を行い、求職申込書を作成することによって、求職する意思があることを伝えることになると考えて下さい。
そして、書類を提出して終わりではありません。
窓口で面接をすることになりますから、ある程度時間に余裕を持っていくようにしたいですね。
必要書類の提出と面接が終わると、失業保険の申請手続きは完了になります。

その後は、7日間の待期期間に入ります。
この期間は、申請者に対して、失業保険を支給しても大丈夫かどうか、本人調査をする期間ですから、ここで支給の判断がされることになりますよね。
手続きが終了してから1週間は、少しお休みの期間に入ると思っておきましょう。

③7日間の待期期間後、雇用保険受給者説明会に参加する

待期期間が終了した後は、全員参加の雇用保険受給者説明会に参加することになります。
なぜこの説明会に参加する必要があるのかというと、今後の説明だけでなく、「失業認定申告書」と「雇用保険受給資格者証」が配布されるからです。
上記の書類は、受給資格を得るために必須になりますから、これがなければ次の手続きには進めません。
全員参加になっている所以は、書類の配布になりますから、しかるべき日時に参加を忘れないようにしたいですね。

尚、説明会は②の書類を提出してから、約1～3週間後に行われますので、自治体のハローワークの指示に従うようにしましょう。

④失業認定日までに、決められた回数の求職活動を行っておく

その後は、失業認定日までに指定された求職活動の回数をクリアしておく必要があります。
ルール上は、4週間以内に2回以上になっていますので、毎回受給前には忘れずに行動しておきましょう。
この報告は、4週間に1回、ハローワークに出向き、求職活動をしていることを報告することで認定が得られますので、報告もしっかり行うことが求められますね。

ここで、みなさんが「失業している」という認定を受けることになりますから、受給している人にとっては大事な日になるでしょう。

⑤失業手当の受給が得られる

無事に失業状態である認定が得られると、認定日から7日後に指定した口座に手当てが振り込まれることになります。
大まかな流れを見ておくと、案外受給には時間がかかることが分かりますよね。
初回以降は、求職活動の実績と認定日に失業状態が認められることの繰り返しになりますので、やるべきことが固定化されてくるでしょう。

一方、注意点として会社都合の場合、説明上「7日後から支給開始」と記載されていますが、これは厳密な形ではありません。
認定日から計算した後に振り込みが始まることになりますから、人によって多少の誤差があります。
また、待期期間の7日間と間違って認識してしまう人もいますので、実際の支給は全ての手続きが完了し、失業認定がされた時から計算して考えましょう。

失業中は、貯金のある人でもお金の不安が出てきます。
気になる人は、相談の時点で今後のスケジュールの目安を聞いておくと安心できるかもしれませんね。

なるべく早く失業保険の受給を得るためにできることは?

ところで、先程の失業保険の手続きの流れが完了するには、どのくらいの時間がかかるのでしょうか?
実は、最も受給が早いと考えられる会社都合の退職であっても、最短で1か月程度時間がかかることが予想されます。
人によっては、この期間の生活をどうすべきか、考えておく必要が出てきますよね。

しかし、この時間はあくまで目安になります。
時間がかかってしまう背景には、みなさんの行動だけでなく、ハローワークの混雑状況等も関係してきますよね。
少しでも早く受給に繋げるために、みなさん自身ができることはあるのでしょうか?
ちょっとした部分ですが、可能なことがあります。

それは、始めに紹介した職場から受け取る離職票関係の書類の発行です。
これは、自分が離職してからすぐに行われるものだと思ってしまいますが、みなさんの行動や職場の動きに左右されやすい部分があるのです。
注目すべき行動は、ココになるでしょう。

・離職事由の確認を早めに行うようにする
・離職票の発行を急いでもらうように、事前に職場に伝えておく

これらの手続きは、早めに行ってもらうことで、手元に届きやすくなりますよね。
もちろん、離職事由等で職場と話し合うようなことがある場合は、しっかりと議論を行うべきです。
しかし、特段問題がないような場合は、担当者に伝えておくことで時間短縮ができることもありますので、言っておくに越したことはないでしょう。

一方で、中々書類が届かない場合は、職場側とハローワークのどちらかで時間がかかっている可能性がありますので、確認の連絡を入れてみることをオススメします。
このことを、「やりすぎかも…」と思わないで下さい。
タイミングがずれて不安になるのはみなさん自身です。
納得するためにも連絡を入れることは、悪いことでありませんよ。

まとめ

今回は、失業保険を申請するまでの流れについて解説しました。
公的な制度を利用するということは、適正な手続きをしなければ実現できません。
特に、生活面に不安がある、早めに対応してもらいたいという人は、最初の職場での対応を早めにできないか相談してみましょう。
ハローワークに申請の手続きをする前から、準備は始まっていると考えて行動すると良いですね。