借金の返済に追われている状況では、なかなか前向きな考えにはなれないでしょう。
金銭的にきつい状態が続くのはもちろんですが、それ以上に苦しいのは精神面です。
そんな状況を続けていると、人生のやり直しなんて考えられません。
それなら、債務整理をしてもう一度人生をやり直してみてはいかがでしょうか?
その方法について、解説していきます。
債務整理とは?
債務整理というのは、簡単に言うと借金を返済するために、その負担が軽くなるようにする救済措置のことをいいます。
ただし、その方法は1つだけではありません。
債務整理の方法は、大きく分けて3つあります。
・自己破産
・任意整理
・個人再生
ほとんどの人は、債務整理というのは自己破産のことだと思っているのではないでしょうか?
しかし、それはあくまでもその中の1つの方法であって、それ以外にも方法があるのです。
また、債務整理をすると仕事ができなくなると思っている人もいるようですが、それは誤解です。
自己破産に限り、職業や資格に制限があるのですが、それも申し立てから免責決定までの間だけなので、それほど長い間ではありません。
それぞれの借金の減額効果やデメリットについて、簡潔に表すとこうなります。
減額効果 | デメリット | |
自己破産 | ◎ | 大きい |
任意整理 | △ | 小さい |
個人再生 | 〇 | やや大きい |
詳しくはまた別の記事で紹介していきますが、今回はそれぞれの方法について、簡単に解説していきます。
借りているお金の額や返済能力によって、選べる方法が異なるので注意しましょう。
自己破産
この3つの中で、最も耳にすることが多いのはこの方法でしょう。
自分から破産を宣告することで、返済能力がないことを認めてもらい、現在ある借金を返済しなくもいいように、その残高をゼロにするという方法です。
借金を返済できなくなる人には、それぞれ違った事情があるでしょう。
雪だるま式に借金が膨れ上がり、気が付いたら返済が難しくなっていた人や、収入が多かった時に借金をして、収入が減ったため返済できない状況になった人、連帯保証人として多額の借金を負った人などもいると思います。
そういった人の中には、返済のために日々の生活もままならない人もいます。
手元にある全ての財産を処分しても、とうてい全額を返済することができないので、先が見えない状態でどうにか返済を続けているのかもしれません。
自己破産は、そんな苦しみから解放されるための手段です。
手元にある財産を返済に充てることで、借金がすべて清算されるのです。
ちなみに、財産も決められた範囲で残すことができます。
任意整理
借金の返済は、元本が大きければ大きいほど、返済の多くを利息が占めることになります。
毎月2万円返済しても、半分近くが利息なのでなかなか完済できない、という人もいるでしょう。
例えば、300万円を年利15%で借りていた場合、10年で返済するとしても毎月の返済額は5万円近くになります。
総返済額は580万円になるので、利息を含めるとほとんど元金の倍になるのす。
これでは、中々返済も終わらず、生活も大変なままです。
任意整理は、返済を大変にする利息の部分について、交渉します。
つまり、今後の利息をカットしてもらい、返済計画について話し合うのです。
利息だけでもカットしてもらえると、その後の返済もしやすくなるでしょう。
先程の例でいうと、毎月5万円近くの返済を5年続けていても、元本は約200万円残っています。
そこから5年間、毎月5万円返済を続けて返済が完了するのです。
しかし、その後の利息をカットしてもらえるのなら、あとは元本だけを返済すればよくなります。
毎月の返済額が、約3万4千円でよくなるのです。
また、最近耳にすることが多い、過払い金請求も任意整理の一環です。
もし過払い金がある場合は、その分を請求して元本の返済に充てることもできます。
その結果、借金を完済できたり、余分に支払った分がかえってきたりすることもあるでしょう。
任意整理では、まず過払い金がないかを確認して、その後利息カットなどの交渉をすることになります。
ただし、過払い金はグレーゾーン金利で借りていた場合にしかないので、2010年以前に借りていた分にしか発生しません。
実は、債務整理のほとんどは、この任意整理です。
ちなみに、貸金業者によって任意整理に前向きな所もありますが、個人で交渉するのは難しいので、必ず専門家に依頼しましょう。
※アストレックス司法書士事務所
https://xn--ruq30uisndq6b.net/?page_id=20737
個人再生
時折、ニュースなどで会社が民事再生を申し立てた、という話を聞くことがあります。
個人再生というのは、基本的にこれと一緒です。
会社ではなく、個人の生活を再生するために行う手続きなので、個人再生といいます。
具体的には、どうやって再生するかの計画を立てて、それを裁判所に認可してもらい、借金を返済できる額に減らしてもらいます。
自己破産との違いとして、個人再生では基本的に3年で返済できる額を残して、それ以上の借金は返済義務がないものとしてもらうのです。
また、財産を大幅に減らすことなく手続きができるのも自己破産との大きな違いです。
例えば、車や自宅、生命保険なども保有したままでいることができ、住宅ローンが残っている場合も住宅ローン特約があるので、返済を継続できれば手放す必要がありません。
個人再生では、借金をおよそ5分の1まで減らすことができます。
また、これ以上返済の督促をされなくなるというのが、何よりもうれしい点かもしれません。
どれだけ減るのかを確認しよう
借金を減らすために債務整理を考えている人は、手続きの前にやるべきことがあります。
それは、どの位借金を減らすことができるのかの確認です。
確認しておかないと、どの手続きをするべきかが判断し辛いでしょう。
例えば、自己破産ではなく任意整理を選択して、交渉はしたものの思ったほど借金が減らず、結果として自己破産することになると二度手間です。
それよりも、事前に確認しておくべきです。
債務整理によって、どのくらい借金を減額できるのか確認するには、この借金減額シミュレーターを利用してみましょう。
※借金減額シミュレーター
https://xn--ruq30uisndq6b.net/?page_id=25847
このシミュレーターは複数の弁護士と司法書士が共同で運営しているもので、どの位減額できるのかを無料で診断してもらうことができます。
いくつかの簡単な質問に答えるだけなので、気軽に試してみてください。
借金に関する相談は、誰にも相談し辛いものです。
他人はもちろん、友人や家族にも相談できず、一人で悩んでいる方は多いでしょう。
そうやって悩みを抱えて、精神的に追い詰められている方もいらっしゃいます。
借金を減らしたいのであれば、その第一歩としてまずは弁護士に相談してみましょう。
弁護士は相談料がかかるから、とためらわれるかもしれませんが、法テラスや定例相談会など、無料で相談できる窓口は色々とあります。
まずは、自分の借金をどうするべきなのか、機会を見つけて相談してみましょう。
債務整理は、弁護士に依頼して行うものなので、詳しいアドバイスをもらうことができます。
その上で、どうするか決めればいいのです。
いつまでも、借金を抱えていては前向きな気持ちになるのも難しいでしょう。
長年背負ってきた借金を返済して、やり直す機会が今かもしれません。
まずは弁護士に相談することが、やり直しの第一歩です。
※アストレックス司法書士事務所
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まとめ
今回のポイントを整理すると、
・債務整理は、自己破産だけではない
・借金の額や現在の状況によって、可能な債務整理は異なる
・債務整理のほとんどは、過払い金を含めた任意整理
・まずは借金減額シミュレーターを試してみよう
・弁護士に相談するのが、人生をやり直す第一歩になる