現在、コロナで家計に影響が出てしまっている人が多いですよね。
中には、失業せざるを得ない状況になってしまった人もいるでしょう。
そんな中、自己都合退職時における特例が設けられました。
生活面での不安を軽減できるようになったのです。
今回は、コロナで設けられた特例の内容を解説したいと思います。
通常の自己都合退職だと現状に対応できない理由とは?
これまで失業や退職の経験がある人は、失業手当を受け取るにあたり、様々な条件がありましたよね。
例えば、以下のような内容が挙げられるでしょう。
・自己都合退職か会社都合退職か?
・離職日2年前から数えて、雇用保険の加入期間が12カ月以上あること
最低限、失業手当を受け取るには、雇用保険の加入期間の条件が関わってきます。
それに加えて、どのような都合での退職なのかにより、すぐに手当が支給されるのかも変わってくるでしょう。
特に、離職の理由によって手当の給付日数が90日~360日の範囲で変わりますから、今後の生活に影響してきますよね。
従来の支給条件を踏まえた上で、なぜコロナ禍の現状に対応できないのかを少し解説したいと思います。
次の項目で解説する特例の内容を理解する上で大切なポイントは、2つです。
①給付制限の期間が理由によって違う
②空白期間の短縮は好機となるのか?
それぞれ見ていきましょう。
①給付制限の期間が理由によって違う
失業手当は、必要な手続きを行ってからすぐに受けられるものではありません。
7日間の待機期間を得た後に、早い条件の人には受給されていきます。
ですが、離職理由によっては、さらに受け取りに時間がかかってしまう人もいますので、これでは生活面に不安が生じてしまいますよね。
特に、コロナの状況下では尚更でしょう。
生活面の不安を解消できる手段として、特例は設けられたと考えて下さい。
②空白期間の短縮は好機となるのか?
手当の支給にあたり、いくら期間が短縮できたとしても、不安は隠せません。
従来までの給付制限期間が1か月短くなったとしても、最低限その期間内は自分で何とかしなければなりませんよね。
見方によっては、不安の解消に繋がらないと感じる人もいるでしょう。
特例の効果を、必ずしもプラスに捉えられないことを知っておいて下さい。
コロナによる特例~自己都合退職の場合、ココが変わる!~
ここからは、本題となる「新型コロナウイルス感染症に伴う雇用保険求職者給付の特例」の内容について解説しましょう。
この特例は、2020年5月以降にコロナ関連の事情で離職した場合、自己都合退職であっても手厚い保障が受けられるようになります。
制度上、このような人たちは「特定受給資格者」という扱いになりますので、早めの支給に繋げることができるのです。
もう少し具体的に、特例による変更点を見ていきましょう。
・どのような退職理由が対象となるのか?
・雇用保険とハローワークで手続きする際の注意点
・給付日数の変更
給付日数の変更に関しては、「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法」がポイントになります。
上記3点を知っておくと、これから手続きする場合に、まず自分が対象となるのかが分かりますよね。
特例の概要を掴むためにも、基本的な部分を押さえておきましょう!
・どのような退職理由が対象となるのか?
まず、特例の対象となる退職理由は、主に以下のような内容が挙げられます。
・みなさんの働いている職場で感染者が出たこと
・本人・同居の家族の中に60歳以上の高齢者がいること
・本人・同居の家族の中に妊娠中の人がいること
・本人・同居の家族の中に基礎疾患を持っている人がいること
このような事情から、退職を決めた場合が当てはまります。
上記の事情は、職場内の感染拡大に発展する可能性があるだけでなく、家族の健康・生命に関わることですよね。
特に、基礎疾患がある人や高齢者は、感染すると重症化しやすいと、感染拡大時から言われてきたことになります。
基礎疾患には呼吸器官の病気だけでなく、糖尿病や心不全、抗がん剤を用いている人等、大きな病気の人がほとんどです。
家族の中に、病気を抱えている人がいる場合は、いくら仕事であっても続けていくのが難しい時もあるでしょう。
このように、感染状況が関わっている理由は一般的な「自己都合」とは言い難いですよね。
一方で、少し時期がずれてしまうと対象外になる事例もあります。
それは、感染拡大の影響で子どもの学校が休校になり、親が世話等の事情で退職を決めた場合になります。
一見すると、やむを得ない事情での退職になりますよね。
この事例の場合は、2020年2月25日以降の離職であれば、特例の対象となりますのでご安心下さい。
そのため、いつ頃退職したのかも、給付制限の緩和に関わってくるでしょう。
・雇用保険とハローワークで手続きする際の注意点
2つ目のポイントは、手続き面に関する注意点です。
まず、雇用保険に関する内容ですが、従来の場合は加入期間が通算12カ月以上必要でしたよね。
しかし、特例の場合は、6カ月以上の加入期間があれば認められますので、半年分の違いがあることが分かるでしょう。
受給資格における雇用保険の加入期間は、意外とネックになりやすいですよね。
このおかげで、もしかすると手続きできるようになったという人もいるかもしれません。
そして、特例を受けるためには、通常時と同様にハローワークで手続きをする必要があります。
特例を利用したい場合には、申立書と確認資料の提出が求められます。
「確認資料」とは、先程ご説明した退職した理由に関する書類なのですが、例えば、医師の診断書やお薬手帳、事業主の証明書等が挙げられるでしょう。
これらは、感染状況や疾患状況等が事実であることを確認するために必要になりますので、通常時にはない書類ですよね。
仮に、現在受給資格の決定がされている人であっても、受給資格者証に添付して申し出ることで特例を受けることができます。
・給付日数の変更
3つ目のポイントは、給付日数の変更についてです。
給付日数の延長は最大60日になりますが、年齢と所定給付日数によっては最大30日になります。
30日でも延長になると、求職者にとっては心強いことですよね。
離職日の流れから見ると、以下の形で対象者が変わることになります。
離職日 | 対象者 |
~2020年4月7日まで | 離職理由を問わない全受給者 |
2020年4月8日~2020年5月25日まで | 特定理由離職者、特定受給資格者 |
2020年5月26日以降 | コロナの影響により、離職を余儀なくされた特定理由離職者、特定受給資格者(雇止めの場合に限定) |
上記3項目に該当する人で、2020年6月12日以降に失業手当の所定給付日数が終わる人になりますから、対象範囲は広いことが伺えるでしょう。
このような情報は、知らなければ利用できません。
まず情報を知る、このことからスタートしていきましょう。
特例を利用する場合は、基本的にみなさん自身が申し出て手続きしなければなりません。
前職の職場が行ってくれる、特定の通知が来ると思ってしまうのは間違いです。
少しでも条件に当てはまりそうな時は、自分からハローワークの担当者に相談してみて下さい。
給付制限なく制度が利用できることは、経済的なストレスの軽減になりますから、厳しい状況だからこそ、利用できる情報は積極的に活用しましょう。
まとめ
今回は、コロナが原因の自己都合退職の場合、特例措置で失業手当の優遇がされることについて説明しました。
雇用保険の加入期間だけでなく、給付制限が緩和されるとなると、生活面で困っている人は助かりますよね。
少しでも金銭的なサポートが必要な状況だからこそ、スピーディーな支給は欠かせません。
コロナが原因で退職した人は多いですから、自分の生活を守るためにも特例を活用するようにして下さい。