雇用保険は、労働者を守るための公的保険制度ですが、誰でも加入できるわけではありません。
加入するためには、要件があるのです。
その要件は、正規雇用と非正規雇用で異なります。
それぞれ、どのような要件なのかを解説します。
正規雇用の場合の条件
正規雇用の場合、必ず雇用保険に加入しなくてはいけません。
その際の、主な要件を確認してみましょう。
1つめは、勤務を開始してから最低でも31日以上は勤務を続けるという見込みがあることです。
2つめは、1週間あたり20時間以上働くことです。
これは、実際の労働時間ではなく、所定労働時間です。
そのため、一時的にそれを超えて働くだけでは、認められません
3つめは、原則として学生ではないということです。
ただし、卒業してからも働き続ける予定なら、学生でも入ります。
この3つの条件は、正規雇用なら問題なくクリアできるでしょう。
非正規雇用の場合の条件
アルバイトや派遣社員のような非正規雇用の場合は、必ず加入するわけではありません。
正規雇用と同じ、3つの要件に当てはまるようなら加入となるのです。
雇用が30日を超える予定で、週に20時間以上働く場合は、どのような形で働くにしても加入しなくてはいけません。
ただし、季節労働者や日雇い労働者に対しては、また別の要件が決まっています。
季節労働者は、雇用保険では別枠での扱いになり、通常の失業手当の受給対象にはなりません。
しかし、その代わりとなる給付金として、特例一時金を受け取ることができるのです。
事業所の都合で一時的に雇用される労働者は、日雇い労働者になります。
それに当てはまるのは、1日単位での雇用、あるいは30日以内の雇用が予定されている場合です。
この場合は日雇労働保険になり、独自に3つの加入要件があります。
① 定められた区域内に住んでいて、その地域の定められた事業で働く人
② 住んでいる場所は違うが、①に該当する事業で働く人
③ 住む場所も働く場所も定められた区域とは違うが、定められた事業のうち、厚生労働省が指定した雇用主のもとで働く人
このうち、どれか1つでも当てはまるようなら、加入対象です。
当てはまらなかったとしても、31日以上続けての仕事となる場合は、普通に雇用保険に入ることとなるでしょう。
非正規雇用の場合は、途中で勤務状況が変わって要件を満たさなくなった場合、雇用保険の資格を失うことになるので注意しましょう。
おさらい
今回のポイントを整理します。
・雇用保険の加入要件は、勤務日数や時間などが決まっている
・正規雇用なら、必ず加入することになる
・それ以外でも、要件を満たしていれば加入することになる
雇用保険は、要件に当てはまるときは必ず加入しなくてはいけません