【失業保険】 給付期間

【失業保険】給付期間が3カ月から2カ月に変更になります

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会社を自己都合で退職した場合、失業保険の給付が始まる前に給付制限期間があります。
これまではその期間が3カ月とされていたのですが、10月1日からは2カ月になるということをご存知でしょうか?
なぜそうなったのか、また適用されるには条件があるのかなど、詳しい内容について解説します。

変更の経緯

雇用保険失業手当、いわゆる失業保険に関しては、労働環境の変化に伴って適宜変更されています。
2020年8月には、基本手当日額が変更されて被保険者期間のカウント方法にも見直しがありました。

これまでは、働いた日数が11日以上なければ、その月は被保険者期間としてカウントされませんでした。
それが、働いた日数が10日未満であっても、80時間以上働いていればカウントされるようになったのです。

また、新型コロナウイルスの影響を考慮して、給付日数についても延長されるというルールが定められています。
退職の理由に、新型コロナウイルスに関係したいくつかの条件が当てはまる場合は、給付日数を60日延長するというものです。

今回の変更は、自己都合で退職した時の給付制限期間を、従来の3カ月から2カ月に短縮するというものです。
それには、どのような理由があったのでしょうか?

その理由としては、失業者の求職活動を支援するということがあります。
これまで、自己都合で退職した人は失業状態にありながらも、給付制限があるために3カ月間は失業保険の給付を受けられませんでした。

そのせいで、求職活動だけではなく普段の生活においても不自由な思いをしている人がいます。
金銭的な問題から、不本意な勤務先で働くことになった人もいるでしょう。

そのような状態に関しては、以前より懸念されていました。
改善についても検討されていたのですが、それがとうとう今回、変更されることになったのです。

本来は、自己都合で退職をするのなら給付制限期間があることは分かっているので、その期間は生活できるように貯蓄をしてから退職するべき、という考えもありました。
その制限を設けることで、安易に退職することを防ごう、ということです。

しかし、働いている人の中には低賃金で働き、中々貯蓄ができないという人もいます。
また、体調を崩してやむを得ず退職した場合など、貯蓄ができるまで待てないという人もいます。
そういう事情も考慮すると、退職を避けるべきとは一概に言えないのです。

ちなみに、給付制限期間については雇用保険法などで定められています。
そこには、自己都合退職の場合は待期期間が満了した翌日から1カ月以上3カ月以内は、基本手当の支給をしないとなっています。
そのため、2カ月に変更しても、特に問題はないのです。

適用は無条件?

では、この変更は無条件で適用されるのかというと、そうではありません。
まず、適用されるのは2020年10月以降に退職した人に限られます。
それ以前に退職した人には、適用されないのです。

例えば、9月末に離職した人は、12月末までは給付制限期間が続きます。
10月の時点で給付制限期間中だったとしても、それが短縮されるわけではないのです。
退職日が10月1日であれば、12月初旬には給付制限期間が終わるので、そちらの方が早くなります。

また、回数の制限もあります。
現状の規定では、給付制限期間が2カ月になるのは5年間に2回まで、とされています。
3回目の離職日からさかのぼって5年間の記録を確認し、その期間に2回の自己都合の離職をしていると、3回目は3カ月の給付制限がつきます。

ただし、この5年間には、2020年9月以前の離職は影響されません。
つまり、現時点では特に影響を受けることはないのです。
あくまでも、過去5年間に給付制限が2カ月になる自己都合退職が2回あるかどうかで決まります。

給付制限は、自主的に退職した時だけとは限りません。
それ以外でも、給付を制限されることがあります。
それは、退職の理由が自分の責任にある場合です。

どういうことかというと、解雇されたもののそれが自分の落ち度によるもの、というケースであれば、解雇されていても給付制限があるのです。
例えば、横領や不正な取引などがあると、これに当てはまるでしょう。
その場合の給付制限は、10月以降も今まで通り3カ月になってしまいます。

今後、さらに短縮する可能性も

今回、給付制限期間を短縮することは、2019年10月頃から検討されていました。
働き方改革によって、働き方が多様化したことや高齢者が就業する機会が拡大したことで、転職する人も増えると予想されたため対応を考えていたのです。

また、この時点で求職者数を大幅に上回る求人があったので、離職者は仕事を見つけやすい状態となっていて、基本手当の受給者数はかなり減少していました。
そのことも、変更を検討する背景となったのです。

政府としては、決して安易な離職をしてほしいわけではありません。
しかし、求職者が安心して再就職活動をできるように、と考えているので、その支援となるべく今回のような変更を決めたのです。

実は、給付制限期間は元々、1カ月しかありませんでした
しかし、1984年に改正されて、現在の3カ月へと延長されたのです。
そこには時代の背景もありました。

当時は、会社に就職したら転職することは一般的ではなく、終身雇用制度が当たり前でした。
高度経済成長の中で、転職するのではなく会社を大きくしていこうという考え方をしていたのです。

社会全体にそのような考え方が浸透していたので、安易な離職をしないようにと政府も給付制限期間を3カ月に延長していました。
しかし、その後高度経済成長が終焉を迎え、業績の悪化した企業がリストラを断行するなどの経緯もあったことで、終身雇用という考え方も一般的ではなくなりました。

就職氷河期と言われる時期を過ぎ、雇用を巡る環境が改善されてきたことで、今度はより良い労働条件を求めて転職する人も増えました。
企業も、その変化を受けて中途採用枠が拡大されるところも増えてきました。

しかし、一度変更した給付制限期間は、そう簡単に変えることもできません。
3カ月に延長された給付制限期間は、長年その状態で続いてきました。
それが、今回36年ぶりに変更されたのです。

当初の意見では2カ月ではなく、1カ月に短縮することを検討していました。
しかし、安易な離職を防ごうという考えもあって、1カ月ではなく2カ月、それも5年間で2回までという制限が設けられたのです。

今回は2カ月にすることが決定したものの、そこには妥協も少なからず含まれています。
その状態が何年か続いた後で1カ月に変更される可能性も、大いにあるでしょう。

まとめ

失業保険の給付制限期間の短縮について、解説しました。
今回の、給付制限期間の短縮によって、退職へのハードルは低くなりました。
今の仕事が自分には合わないと思いながら働いていた人にとっては、大きなチャンスになるかもしれません。
しかし、新型コロナウイルスの影響で、かなり景気が落ち込み求人が減っている業種もあります。
退職するとしても、その前に十分な下調べは欠かさないようにしましょう。

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