以前より賃金が下がってしまった時に貰うことができる就業促進定着手当ですが、具体的にはどのくらいの金額を貰うことができるのでしょうか?
また、それはどのような計算で決まるのでしょうか?
計算方法と支給額について、確認してみましょう。
支給額はどのくらい?
まず、どのくらいの金額が支給されるのでしょうか?
その金額は、一律ではないので具体的に決まっているわけではありません。
基本的に、前の賃金との差額が支払われることになります。
ただし、その金額にはいくつかの上限があります。
まず一つ目は、前の仕事での賃金の上限です。
これは、年齢によって異なります。
30歳未満で離職した場合は、上限が13,630円として計算されます。
そこから60歳までは年齢別に上がっていき、最高で16,670円となります。
ちなみに下限額もありますが、こちらは全年齢共通で2,500円と決まっています。
さらに、支給額そのものの上限もあります。
こちらは、再就職時の基本手当日額と支給残日数によって変化します。
分かりやすく言うと、再就職手当としてもらった金額と、失業状態が続いて全額を受給したと仮定した時に支給される金額の総額との差額分をもらうことができるのです。
どうやって計算するのか?
では、具体的な計算方法について解説します。
支給される金額は、以前の賃金の日額から再就職後の6か月間の賃金の日額を引き、その金額に支払いの計算をする際の支払いの基礎となる日数をかけた金額となります。
具体的な例を挙げて、計算してみましょう。
例えば、退職した時の年齢が31歳の人を例にとって考えてみましょう。
以前は月給25万円で、日額にすると8,333円でした。
しかし、再就職先では22万円になり、日額では7,333円に減ってしまったのです。
この場合、基本手当日額は5,531円です。
会社都合退職で、給付日数は210日でしたが、110日で再就職が決まったので残日数である100日分の60%を手当としてもらっています。
賃金日額の差額は、8,333円−7,333円=1,000円です。
6カ月間の基礎日数は180日だったので、1,000円×180日=180,000円が賃金の差額となります。
ここで、支給額の上限を計算してみます。
支給額の上限は、5,531円×100日×40%となるので、221,240円です。
上限より少ない金額なので、180,000円をそのままもらうことができます。
しかし、この人の年齢が29歳だったとしたら、給付日数は120日になります。
そして、20日で再就職が決まったと仮定した場合、残日数は同じく100日ですが、再就職手当の割合が70%になるので、支給の上限額は30%で計算されます。
そうなると、支給額の上限は5,531円×100日×30%=165,930円となります。
つまり、本来の不足分は180,000円ですが、実際に受給できる金額は165,930円ということになるのです。
このような計算で、支給額は決定されます。
おさらい
今回のポイントを整理します。
・支給額は、不足している賃金によって異なる
・支給額には上限がある
・再就職手当としてもらった際の割合も関係する
フルタイムから転職して、日給制や時給制で働いている場合、月あたりの給料は減っていても賃金日額に関しては減っていないことがあるので、注意しましょう。