新型コロナの影響を受けて休業者が増加しましたが、その対策として定められた雇用調整助成金はあまり利用者が増えませんでした。
その代わりに現在注目されているのが、休業者が自分で手続きできる、みなし失業です。
ただし、みなし失業には注意しておきたい点があります。
それは、どのようなことでしょうか?
被保険者期間が最初からになる?
みなし失業は、本来なら不正解雇に関して会社と争っている最中に、失業したものとみなして失業手当を先に受け取れるようにするものです。
しかし、東日本大震災の時には、まだ失業が確定していない人も失業手当を受け取れるようにするために、みなし失業が認められていました。
ただし、失業手当を受け取ると、被保険者期間はまた1からになってしまいます。
みなし失業であってもそれは例外ではなく、東日本大震災の時も失業手当を受給すると被保険者期間が最初からになっていたのです。
被保険者期間は、その長さによって退職したときの手当の給付日数が決定するので、リセットされてしまうと後から困るかもしれないのです。
そして、今回のみなし失業では休業者手当を受け取ることになるのでしょうが、それでもやはりリセットされるかもしれないのです。
失業手当は、会社都合でも6か月以上は被保険者期間がなければもらうことができません。
出勤日数が10日以下の月は被保険者期間とはみなされないので、休業が多いと失業した際に受け取れない可能性も出てきます。
どういう扱いになるのか、注目しておかなくてはいけません。
加入要件は?
雇用保険は、正社員であれば必ず加入しなくてはいけません。
しかし、アルバイトやパートの場合、勤務時間や勤務日数によって、加入する人としない人がいるのです。
もし加入していないと、休業者手当ももらえずみなし失業も利用できません。
その加入要件を満たしているかどうかが、非常に重要となるのです。
また、加入要件を満たしていても、加入しているとは限りません。
なぜなら、会社が手続きをしていないこともあるからです。
これは、会社が違反して手続きをしていないケースと、途中から加入要件を満たしたのに気づいていなかったケースがあります。
自分が雇用保険に入っているかどうか、事前に確認しておいたほうがいいでしょう。
おさらい
今回のポイントを整理します。
・みなし失業を利用すると、雇用保険の期間がリセットされるかもしれない
・非正規の場合、雇用保険の加入要件を満たしていないことがある
・加入要件を満たしていても、会社が手続きしていないことがある
みなし失業は、休業者にとって非常に助かる制度ですが、それに伴う注意点も確認してから利用するかどうかを決めましょう。