みなさんは、司法書士と呼ばれる人がどんな時に活躍するのかを聞いたことはありませんか?
よく聞かれるのは、不動産に関することだと思います。
しかし、他の分野でも活躍していることを知っているでしょうか?
その分野は、債務関係。
今回は、司法書士に依頼をするメリット・デメリットについてご紹介したいと思います。
依頼するメリットとは?
債務整理を司法書士に依頼すると考える人は、意外と少ないですよね。
なぜなら、一般的な業務のイメージからかけ離れているからです。
しかし、ここ10年くらいで、借金等の相談に乗っている事例を多く見かけるにようになりました。
なぜ、依頼しているのでしょうか?
そのメリットには、次の内容が挙げられます。
・費用が割安で解決できる
・法律専門家の中でも親しみやすいイメージがある
ここでは、具体的にメリットの内容を見てみましょう。
・費用が割安で解決できる
弁護士に依頼する場合、トラブル解決に罹った費用だけでなく、成功報酬等様々な費用が請求されますよね。
その結果、総額で見ると高額になっているということは珍しくありません。
ですが、依頼者の中には、いくら問題を解決したいと思っていても、高額な費用を捻出することができない人もいますよね。
一方で、司法書士の場合は、料金設定が簡潔な特徴があります。
例えば、債務関係のトラブルを解決したいとなると、それにかかる費用だけの請求になりますから、成功報酬等の請求はないと思って下さい。
仮にかかるとすれば、手続きの際にかかった交通費等の請求くらいでしょう。
請求される内訳が少なくなると、総額も小さくできるのは当然ですよね。
債務の場合、対応できる範囲に上限額はありますが、その範囲内ならばみなさんに代わって全ての交渉を行ってくれます。
低価格で丁寧なフォローをしてくれるとなると、依頼先の候補にも当然入りますよね。
一方で、この対応ができるのは「認定」司法書士として業務が行える資格者のみになりますから、依頼する前に対応可能かを確認する必要があるでしょう。
・法律専門家の中でも親しみやすいイメージがある
2つ目のメリットは、親しみやすさです。
これは、法律専門家に限らず、全ての業種に関わることですよね。
しかし、法律専門家の中でも、近寄りがたい、相談しやすいといった印象は少なからずあるのです。
例えば、お金のほんの些細なトラブルを、「有名な弁護士に依頼しよう!」、とみなさんは思うでしょうか?
重大なトラブルならば心強いですが、「小さなトラブルならそこまで…」と考える人もいますよね。
司法書士は、「町の法律家」と表現されるくらい、地域の人の悩みに対応できる、それくらい親しみがある立場だと言われています。
このフレーズだけを聞いても、些細なことでも親身に相談に乗ってくれそうなイメージがありますよね。
何より、このイメージはお金に関するトラブルの対応ができるようになったから、さらに強くなったと言えるでしょう。
実は、弁護士の中には軽微な事件は収入に繋がらないということで、あえて引き受けない対応を取っていることがありました。
事務所等の経営を考えると、これは合理的な判断ではありますが、悩みを抱えている人には厳しい状況ですよね。
この状況が悪化すると、適切な司法サービスの提供ができないことになってしまいます。
回避ために、司法書士にも対応できる権限が与えられたのだと思って下さい。
上記の事情を知ると、さらに身近な法律家であることが分かりますよね。
感覚的な部分ではありますが、依頼先を選ぶにあたって大切な部分になるのは間違いないでしょう。
業務に制限があることで生じるデメリット
一方で、業務範囲が限られていることから、全ての状況に対応できないというデメリットもあります。
そのため、借金等の状況によっては、弁護士に依頼すべきケースになることもあり得るでしょう。
デメリットは、以下の通りになります。
・対応額の上限設定があること
・任意整理以外の対応はできないこと
なぜ、このような条件があるのかを見ていきましょう。
・対応額の上限設定があること
司法書士でも借金に関する困りごとの対応はできますが、限定的な範囲に限られています。
その一つが、金額です。
お金を借りている場所、1社あたりの金額が140万円以内でなければ、対応することができない決まりになっています。
これはあくまでも個別の金額になりますので、総額自体が超えていた場合でも対応することは可能ですが、金額が大きい場合は困難になると思って下さい。
上限がある背景は、やはり弁護士が行う業務の権限が一部認められたという部分にあるでしょう。
本来ならば、弁護士が行うべき業務を行っているのですから、全てに対応できてしまうと業種的な区別がなくなってしまいますよね。
何より、資格を取得する際の試験範囲がお互いに違いますから、制限があるのは当然のことなのです。
そのため、比較的金額が大きくない、対応可能な金額の範囲内ならば依頼しても問題ないことが分かるでしょう。
一方で、上限を超えていても、一部に関しては対応が可能です。
依頼できないと諦めていた人には朗報ですが、ほんの一部ですから満足な対応とは言えないかもしれません。
それは、交渉等の対応をするのでなく、書類作成のみのサポートをすることで、この点に関しては対応しても良いことになっています。
この点に関しては、2つ目のデメリットにも関係してくるので、次で詳しくご説明しましょう。
・任意整理以外の対応はできないこと
2つ目のデメリットは、対応可能な手法が限定されていることです。
債務トラブルの場合、解決策としては、自己破産や個人再生、任意整理といった方法を取ることが代表的ですよね。
ですが、これら全ての方法を行うことはできません。
できるのは、任意整理のみです。
これは、債権者と代理人である司法書士が交渉して、借金の減額等を調整する方法になり、話し合いで解決する方法に近い形になるでしょう。
この方法に関しては、みなさんの代わりに話し合いの場に出てくれますので、返済額の調整等を第一目標として動きたい場合に向いています。
これで解決できるのであれば、問題ありませんよね。
しかし、中には他の方法でないと解決が難しい場合も出てくるでしょう。
その際には、該当する方法を代理人として司法書士が行うことは認められていませんから、みなさんの解決のお手伝いができないのです。
従って、実行するならば弁護士に依頼するしかありません。
人によっては、解決方法が限定されており、幅がないと感じることもあるでしょう。
ですが、ルール上決められていることですから、仕方がありませんよね。
そして、こちらの場合も、司法書士がほんの一部だけは関わることができます。
それは、先程と同じように、手続きする際の書類の作成のみ。
書類の作成に関しては対応しても問題ありませんから、作成だけをしてもらう依頼をすることもできます。
しかし、この場合だと、プロが裁判所との間に入ってくれませんので、その後の手続きや裁判所との関わりはみなさんが主体となって行わなければなりません。
この点は、みなさんにとって最大のデメリットになるでしょう。
裁判所と関わるのは、普通に過ごしていたら滅多にないですよね。
不慣れな中で手続きしたり関わったりするのは、リスクの高い行動でもあります。
従って、問題解決への過程が複雑になりそうな場合には、最初から弁護士に依頼して全てのバックアップを行ってもらった方がいいでしょう。
まとめ
今回は、司法書士に依頼する際のメリット・デメリットをご紹介しました。
不動産関係の手続きでしか関わらないと思うのは、間違いです。
小さなトラブルにも対応してくれる存在になりますから、返済状況をどうにかしたいというニーズがある人にオススメです。
依頼する際には、料金設定だけでなく、どこまでフォローしてくれるのかを、今一度確認しておくと、納得できる形で進められるでしょう。